ウルトラマン変身譚:野辺山100km編
あの長い一日から早くも三日が経過しました。
さらば上越 湯檜曽の流れ
さらば土合よ 谷川岳よ
またの来る日を 心に誓い
たどる列車の 窓の夢
『谷川小唄』より
山登りに明け暮れていた高校時代の愛唱歌を「今」にすりかえれば・・・。
さらば信越 千曲の流れ
さらば野辺山 ちょいと八ヶ岳
またの来る日を 心に誓い
はるか100km 夢ロード
エッーーー!
「またの来る日を 心に誓い」っていうことは・・・。
来年のことをいうと鬼が笑うといいますが、あのころの「山登り」でも、そうでした。
容赦なく肩に食い込むキスリングザックの重みにあえぎつつ「もう二度と登るものか!」と思っていつも山を下ります。しかし、ほどなく列車のボックスシートに身を横たえると、それは途端に「次はどこの山に登ろうかなあ」に変わってしまうのでした。
だからといって、すべての「山」で同じ感情におそわれたのかというと必ずしもそうではありませんでした。皮肉なことに、辛い行程、苦しい体調・・・等々、大げさに過ぎるかもしれませんが、そうした「山」というのは辛酸を嘗めるような、ゆえに充実した山行の時に限られていたのでした。
そうした意味からも、今回の「野辺山100km」が早々に「来年」を思わせるということは、それだけ・・・そういうことなのでしょう。
三日前、一刻も早くふつうの「人間」に戻りたいと思っていたはずが、今すでにふたたび「ウルトラマン」への変身を願ってやまない自分がいるのです。それは、体の節々の痛みが徐々に和らぐのにつれて大きくなっていくような気がします。
ラップ トータル
10km 0:58:50 0:58:50
・・・スタートしたのは、われわれランナーだけではありませんでした。見ると横の牧場内を所狭しと牛が2頭勢いよく走り出していました。「ああ、牛に引かれて善光寺」もうすでに、このときから思考回路はおかしくなっていたようでした。
20km 1:06:20 2:05:11
・・・すぐ前を仲良く並んで林道をいくご夫婦は、おそろいの白いシャツ。背中には「ともに白髪の生えるまで」とありました。そういや、うちのカミさんは今頃秋田に出張しているころだなあ。(真っ青な透き通る空を仰ぎつつ)ああ、この空は秋田につながっているよなあ。(ってのろけている場合か!)
30km 1:05:39 3:10:51
・・・コーナーを曲がるたびに懐かしい八ヶ岳のスカイラインが眼前に迫ってきます。かれこれ30年近い昔、あの硫黄岳の火口の端に立って・・・(神聖な山になんということを!)・・・天罰が下ったのか、下りが結構こたえます。
40km 1:12:19 4:23:07
・・・これまた、なつかしいポイントを通過。高校2年生の秋、北八ツの天狗岳から駆け下りて。たしか当時200円位で一風呂浴びたっけ。高校生の分際で山の醍醐味を知ってしまった初めての体験でした。35km地点、稲子湯、思わずここでゴールしちゃおうかな。
50km 1:03:00 5:26:08
・・・フル(42.195km)のポイントを過ぎるあたりから、不思議なくらいにハイテンション。暑い暑い下界へ転がるように走ったせいか頭の中が朦朧としてきたぞ。沿道の声援を送ってくださる方々にスマイルするは、なれなれしく話しかけるは、愛想ふりまき過ぎて、どっ疲れ。自業自得のうちにようやくレースの半分を消化。
60km 1:33:10 6:59:19
・・・アスファルトに干上がってミイラ化しているミミズの姿に目がとまる。明日は我が身か。暑い!エイドごとに柄杓の水を頭からかけてもらい正気にもどる。まだ、ミミズにはなりたくない。
70km 1:29:49 8:29:09
・・・途中、地元のおばあちゃんが歩道に10名ほどずらーーっと。「がんばれやーーー」これも立派な黄色い声援だ。「おいら100kmがんばるよ!おばあちゃんらも100歳目指してきばってや!」
80km 1:57:12 10:26:22
・・・やってきました、峠越え。「野辺山」名物、「馬越峠」。「なんてこたーねーさ、馬でも越えられる峠さ。おいらに越えられないはずがありゃしない。」おいおい、「馬でも」じゃなくて「馬だから」だろ!ほんとに、つらーーーーーーーー。馬になりたーい!
90km 1:15:10 11:41:33
・・・千曲川へ一気に下ります。川沿いの道に出たあたりから左膝に違和感が。それでもごまかしながらなんとかラスト10kmへ。
100km 1:33:31 13:15:04
・・・「野辺山」はなんでまた「高原」なのさ!せめて平らな「湿原」であってくれたなら・・・緩やかな最後の上りをじわりじわりと登りきり、ゴール間近と思いきや、コースはUターンするように離れていく。おそるべし「野辺山」。最後の最後まで精神力をはかるような演出。まいったまいった。
ところで、ゴール後、しばし呆然としながら、蕎麦にしようかトン汁にしようかと迷っているところへ、「moaiさんですか?」な、なんと、このブログを通じて知り合った安曇野のrunrunさんではありませんか。その後、駐車場では旦那様にもお会いできました。「runrunさん、ぜひまたブログ再開してくださいね!また、どこかの大会でお会いできますことを・・・。
かくして、初のウルトラ挑戦は無事終了!と思いきや、一番つらかったのがここからでした。なにしろ、前の晩、仕事を終えて夜中に現地入りして、100km13時間のランニング。ゴール後ただちに倍の200kmの道のりをハンドルを握りしめ・・・♪~中央フリーウェイ~♪
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コメント
あちゃ〜 前日夜中に到着で当日もその後すぐに帰宅なさったんですね、そりゃレース以上に大変だ。
無事に帰れてよかったですね。。
アスファルトでミイラ化したミミズのはなしは、ミミズには申し訳ありませんが、笑ってしまいました。
とてもこのブログのページだけでは書き尽くせないようないろんな事があった100キロでしたネ! 僕はあんまり来年の事はまだ考えたくありませんが、野辺山2007の応募が始まる今年の12月頃にはもう闘志めらめらで即エントリーしちゃう自分がいそうで怖いです。
もうとーぶん100キロはいいや、と思ったら、来月のサロマにエントリーしていたのでした。とほほ。。
投稿: るうじ | 2006.05.24 23:46
私も当日の夜中に現地入りでした。
河口湖までは2時間のドライブ。
そして12時間半のランニングのあと
また更に東京まで2時間半のドライブ。
結構キツいですよね。でも楽しかったりします。
野辺山も来年以降のエントリー候補になりました。
まずは富士五湖117k完走です。
投稿: barmy | 2006.05.24 23:57
横の牧場の牛までが一緒になってスタートを切り力走開始。
10kmごとの描写がまたmoaiさんらしく楽しい。
徐々にウルトラマンへと変身してゆく様が目に見えるようで・・・
決め手は何と言っても70km地点にずらーり並んで黄色い声援を下さった地元の、10数名の「昔むすめさん」達でしょう(^^)
めでたく完走後の翌日の職場では『ロボチック』な動きで、周りを魅了されたとか(笑)
安曇野のrunrunさんのコメントは、ゴール地点の
様子が直に伝わりありがたく、私も若かったならば間違いなく野辺山コースの虜になって「ウルトラ母」に変身できたものを・・なんちゃって。
moaiさん、ウルトラ警備隊からの出動要請は、
ハンパじゃぁないからねッ
いざ 出動!!!!!シュワッチィッ!!!
改めましてmoaiさんに贈りたい『言葉』です。
人に人格があるように
山には山格がある
山の茜を顧みて 一つの山を終わりけり
何の俘のわが心
早も急かるる 次の山
深田 久弥
これからも、『読み、歩き、走り、写し、書き』
を積み上げていってください。
品格あるウルトラランが、豊かな人生を約束してくれるでしょう。
投稿: 幸せコスモス | 2006.05.25 13:14
moaiさん、すごすぎます~
前からちょっと私には想像できないことをしている方だとは思っていましたが!
本当にお疲れ様でした。谷川小唄の替え歌にひとりうけてしまった私です!
こんなに大変な思いをして、そしてなおまた来年だとは。でも、お気持ちは良くわかります。終わりは寂しいけれど、また新しい始まりがあるのですね!
投稿: tomomi | 2006.05.25 20:12
昨年まではここ臼田も、野辺山と同じ南佐久郡だったので、親しみのある土地の名前にどきどきしながら読み進めてきました。来年は是非moaiさんの応援に行きたいと思います!・・・っとそれまでに10kgは痩せないと会えません・・・・。moaiさんから元気を分けてもらい私も今年は何か始めようかと、そんな気になりました。去年は国際交流に目覚め、今年はシェイプアップ&足腰鍛えようと思います。
投稿: sappi | 2006.05.25 21:09
東京から約100KmのIC
東名「沼津」IC
中央「甲府南」IC
関越{渋川伊香保」IC
東北「宇都宮」IC
常磐「日立南大田」IC
やはり信じられません。
運転するんだってたいへんなのに...
自分の足で走るんでしょう。
すごすぎます。
おまけに、来年もまた走りたいなんて(^-^)
投稿: 野川のカルガモおとーさん | 2006.05.26 00:33
ウチのダンナも走り終えた直後は「ウルトラは当分やりたくない」と言ってげっそりしていたのに、今はもう「来年はもうちょっとタイムを縮められるナ」とか言って張り切ってますよ。ウルトラマンってやっぱヘンですね。(^^;
稲子まで35kmだけ走った私は、その先の馬越など、皆さんの会話についていけず、ちょっと悔しいです。
出だしの2頭の突進する牛はよく覚えています。
なんと、「ともに白髪の生えるまで」のペアは私と同じ35kmを走った人達で、私もこの人たちに前後して、後半は彼女を目標に走ってました。もしかして私はmoaiさんの近辺を走っていたのかもしれませんね。ということは、るうじさんも近辺にいましたよ。
ゴール後、走ってきたコースに向かって深々と頭を下げるmoaiさんの姿を拝見しました。さすが、偉いなぁ、と思いました。
私もやろうと思うのですが、ゴールと同時にどっかに気持ちが吹っ飛んでしまっていて…、実行できません。
私もまたブログ再開してみました。趣味の庭作業とか単純メモ的に再開してはいたのですが、忙しくてコメント機能もオフにしていました。
またコメント機能もオンにして、ぼちぼちとブログもジョギングから始めようかな。文才はないのでつまらないですが、ヒマな時、覗いて下さい。
投稿: runrun | 2006.05.26 11:04
>るうじ様
「サロマ湖」ですか。
いいですね。いつかは出てみたいと思っているのですが・・・。がんばってくださいね。
オホーツクの海に思いっきりほえてきてくだい!
投稿: moai | 2006.05.26 23:34
>barmy様
ぜひ来年は「野辺山」へ!
って、わたしゃ主催者でもありませんが。
投稿: moai | 2006.05.26 23:36
>幸せコスモス様
「百の頂に 百の喜びあり」 深田久弥
人の一生を暗示するような含蓄あることばです。
投稿: moai | 2006.05.26 23:40
>tomomi様
そのつど、「振り出しに戻る」意識が大切な気がします。
投稿: moai | 2006.05.26 23:42
>sappi様
>今年はシェイプアップ&足腰鍛えようと思います。
ぜひ、がんばってつづけてみてくださいね。
投稿: moai | 2006.05.26 23:48
野川のカルガモおとーさん様
狛江市(1週45分)を10周走ればいいんだ!と自分に言い聞かせていました。
投稿: moai | 2006.05.26 23:53
>runrun様
ブログ再開、まことにあめでとうございます。
ちょくちょく遊びにいきますね。
投稿: moai | 2006.05.27 00:04