詩人 村野四郎
昨日は、秋色濃い〈府中市郷土の森博物館〉へ出かける機会に恵まれました。
梅林の小高い丘を縫うようについた遊歩道も、今は落葉みち。かさこそと小気味いい音がわたしの確かな歩の進みを教えてくれます。
近くでは、スケッチブックを広げてデッサンする方の姿もちらほらと。
ところで、この園内に・・・
野外施設の一つとして、かつての尋常小学校の建物が移築されて当時の面影を残して立っています。その中に入ると、府中の旧家に生まれた詩人、村野四郎の記念館があります。
「ぶんぶんぶん、はちがとぶ~♪」
だれもが、一度は口ずさんだことのあるこの歌をはじめ、卒業式でよく歌われる『巣立ちの歌』などの作詞者としても有名です。
ただ、このたび改めて直筆による次の作品を目にして、感銘を受けました。
先の大戦によって弟五郎を失い、頼るものもない暗い時代にあっても、決してニヒリズム(厭世主義)に落ち込むことなく、生けるものの責任と主体性をもって懸命に在ろうとした詩人、村野四郎。
「命の輝き」を一瞬にとらえたすばらしい詩だと思います。
鹿
鹿は 森のはずれの
夕日の中に じっと立っていた
彼は知っていた
小さい額が狙われているのを
けれども 彼に
どうすることが出来ただろう
彼は すんなり立って
村の方を見ていた
生きる時間が黄金のように光る
彼の棲家である
大きい森の夜を背景にして
『亡羊記』
二階の西日が差し込む「三年二組」と書かれた、昔ながらの木の机・椅子の並ぶ教室に入り、しばし、この詩を反芻してみました。
| 固定リンク
|
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 《手紙を書く女》(2012.01.09)
- 南アルプス北部縦走 後編(2011.08.18)
- 尊さ(2011.07.29)
- 緑陰の通学路 @深大寺(2011.05.19)
- 4/29 ・・・ひねもすのたりのたりかな(2011.04.30)










































コメント