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2007.10.28

山へ

H191028_26 山へ
行ってきました。
 
行かなければならないと思いました。
 
まずは、
行かなければこの先なにも始まらないと思いました。
 
ですから、
山へ入りました。
 
 
今日は、あの日、すべてが闇の中にあった(事故報告PDF)ものが、うらめしいほどに台風一過の空のもとにありました。
木立を渡る風はどこまでも涼しげで、汗ばむ身体をここちよく冷やしてくれました。
 
振り返ると、そこには三頭山から左に延びる笹尾根の向こうに新雪をいただいた富士がどっしりと構えていました。
 
H191028_1 峠は、それまでの世界とこれからの世界の接点でありましょう。
わたくしも、ふりかえってばかりはいられないのです。
前を向いて歩みださなければなりません。
 
あの日、ぼうっとヘッドライトに映し出された「小河内峠」の標識も、今日は乳白色した奥多摩湖を背景に鎮まっていました。
 
 
H191028_7 全行程71.5kmのうち、45km地点を知らせる標識が、参加者に与える心理的影響はいかばかりのものでありましょう。
「いける、ここまできたら、いける。
半分を超えたんだ。きっとゴールできる。」
すくなくとも、道祖神のそれのようなそっと無事を見守る音無しさよりも、勇気をしきりに鼓舞する役割を演じてそこにたたずんでいたことでしょう。
 
 
H191028_12 「そこ」からは、樹間ごしに惣岳山から御前山にかけての山並みが間近にのぞまれました。
その直前までの、急登を登りつめたご褒美にその景色はあるようでした。
しかし、それは、あくまで、今日のような白日のもとでの感慨にほかなりません。
山肌の色づきももちろん、漆黒の闇の中にあっては想像するしかありません。
 
 
H191028_25 「そこ」から少し先へ進んでみました。
岩肌のゴツゴツした急斜面をひと登り。
振り返ると、そこには岳人を祝福する景色が待ち構えていました。
富士を覆う天上からの清き真白な贈り物がこの地にも舞い降りてくるのは、いつのことでしょうか。
 

 
 
渡る風に、注ぐ光に、降る雪に、流れる水に・・・
おそらく、私たちは還っていくのでしょう。
 
ですから、
渡り来る声、注がれる眼差し、降りそそぐ思い、流れ出ずる情・・・
 
そんな風に、一人の岳人の魂がそこかしこに感じられた秋の山の一日でした。
 
  合掌。

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コメント

お疲れ様でした。。。
そこからから、再び踏み出すしかないのかもしれませんね。。。なかなか言葉は浮かびません。。。私も手を合わせたいと思います。

投稿: iyashi | 2007.10.29 09:31

必ず行かれるだろう。。。と思っていました。

山を人一倍愛し 今回のことも本当に
真剣に真剣に考えたmoaiさんだからこそ
「魂」を感じられたのだと思います。

悲しいことがあっても
辛いことがあっても。。。

そこから どう歩きだしていくかなんですね

故人も山を愛した岳人と聞いています

今回のことを決して忘れず
そしてなお 謙虚な気持ちで
山を愛し 走り続けることが一番のご供養のような気がします。


投稿: りんごママ | 2007.10.29 18:44

追悼の情あふれる文言の、なんと切なく、また温かなことでしょう・・。
moaiさんはきっと、お通夜にも参列をされたのでは?
それだからこそ、その山路のそこかしこで「岳人の魂」を感じられたのでしょう。
胸があつくなりました。
間もなく・・・彼の地にも天上からの清き真白なる贈り物が舞い降りることでしょう。

投稿: 幸せコスモス | 2007.10.29 21:28

>iyashi様

今回の件で、あらためて
「自分」という人間の「今」にふれることができました。

投稿: moai | 2007.10.30 22:39

>りんごママ様

「謙虚」
重い一言です。

投稿: moai | 2007.10.30 22:43

>幸せコスモス様

どこかの山でお会いしたことがあるような気がしてなりませんでした。

あの山、この山…。

そっと置かれたアルバムからは
あたかもご一緒させていただいたかのように錯覚してしまいそうなぐらい、
なつかしい山の景色が並んでいました。

投稿: moai | 2007.10.30 22:57

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