病みも上がり、清々し
ようやくインフルエンザから解放された今週半ば。
その穢れた身体を清めてくださるかのように、天上からの贈り物が舞い降りてきたのでした。
そして、 職場の前庭に植えられた松の枝に積もったその存在があの賢治の「心象スケッチ」を想い起こさせたのでした。
けふのうちに
とほくへいつてしまふわたくしのいもうとよ
みぞれがふつておもてはへんにあかるいのだ
(あめゆじゆとてちてけんじや)
・・・・・・・(中略)・・・・・・・・
・・・ふたきれのみかげせきざいに
みぞれはさびしくたまつてゐる
わたくしはそのうへにあぶなくたち
雪と水とのまつしろな二相系をたもち
すきとほるつめたい雫にみちた
このつややかな松のえだから
わたくしのやさしいいもうと
さいごのたべものをもらつていかう
・・・・・・(後略)・・・・・・
『永訣の朝』 宮澤賢治
手を伸ばせば、そこにその存在はありましたが、なにか軽々しく触れてはならないような気がして、しばし見つめているだけにとどめたのでした。
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コメント
清らかな松の前にそっと佇むmoaiさんの姿。。
想像したら。。胸が熱くなりました
手を触れなかったのは
病みも上がったせい。。?
その存在があまりに清らかだったから。。?
それとも。。?
ちなみに私の兄も鉄砲玉のように
飛んでいってくれそうです。。。
投稿 りんごママ | 2008.01.26 09:14
日本人の奥深い心に触れる宮澤賢治の「心象スケッチ」・・
moaiさんの結びの三行がまた、より深めて余りある情感を漂わせてくれていますね。
身も心も凍てつく厳冬期の、天からのステキな贈り物です。
雪も霧氷も樹氷も、神秘的な演出をしてくれますが、稀に見た長野の山小屋での「雨氷」は、もっと感動的。木々の枝先まで、まるでガラス細工をちりばめたようです。
白色・不透明な樹氷群とは異なり、氷層が透き通って旭日を受け辺り一面きらめく様は、言葉もない美しさです。
黎明の微妙な気象条件による貴重な現象とか・・地元の方から教えていただきました。
投稿 幸せコスモス | 2008.01.26 23:10
>りんごママ様
賢治のふるさと、岩手花巻はほんとうにいいところです。
まさにイーハトーブと呼ぶにふさわしい。
投稿 moai | 2008.01.28 00:38
>幸せコスモス様
「雨氷」も含め、そうした清らかとは裏腹な「陰惨な乱れた空」からこそ、それらが下りてくると賢治がとらえているところにより感動を覚えます。
投稿 moai | 2008.01.28 00:44