南アルプス北部縦走 後編
この縦走の中で、ぜひとも若い人たちを連れて行ってあげたかった場所が、塩見岳直下、ここ大井川水源の枝沢の一つである、雪投沢源頭。
いまや、北アはもちろん、この南アでも、山小屋の設備は充実して、何不自由なく暮らせる山上の「街」がそこにある。
そんな時代だからこそ、小屋もない、トイレもない、救護所もない、あるのは自然のみ、そんな空間で過ごす一夜を提供したかった。
不思議なものである。つくづく人間という生き物も環境の動物だと思い知る。山に入ってから、なにかあると「早く山を下りてマッ○に行きたいよ~!」を連発していた彼らも、この水源の冷水に歓喜の声をあげ、気がつくと裸になって気持ちよさそうに水浴びを始めていたのだ。
そして、いつもなら小屋の発電機の音を子守歌とするところ、残飯をねらってきたのだろうか、鹿が暗闇の中からテントサイトを訪ねては可愛い悲鳴を上げて走り去っていった。
そんなテント場から夜空を見上げれば、そこだけぽっかり空いた円空に星が無数に瞬いていた。
こんな雪投沢の一泊のために、彼らをこの山域に連れ出したといっても過言ではない。もちろん、そんな企みがこの合宿に隠されていたことなど知るよしもないだろうが。
さて、下山して早5日ほど。そんな彼らもきっと今頃、クーラーの効いた例のファストフード店にて、そろそろ重い腰を上げながら夏休みの宿題と格闘でもしているのだろう。
惰性で機械的にフライドポテトを口に運びながらも、ふとこの一夜のことが思い返されることがあったなら幸いなのだが・・・。
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コメント
ご来光。。そして 日本一の山。。素晴らしい景色。。
頑張る若者達に 沢山のステキなプレゼントを頂きましたね。
今 「陽はまた昇る」(佐藤浩市主演)というドラマを見ているのですが
警察学校の山岳救助訓練のシーンでは 色々考えさせられることがあり
いつも 厳しい環境に身をおいているmoaiさんは 素敵だなあ。。と思いました。
日々のジョギングや訓練が 何が起こるかわからない本番につながっていくのですね。
特に 今の日本。。想定外のことを 想定内において
日々を過ごしていかなければいけないことが多い気がします。
投稿: りんごママ | 2011.08.19 18:23
*りんごママ様
皮付きの人参や、芯のある扇子状の玉ねぎが入っていたりと、本当に想定外なことの連続でした。(笑)
投稿: moai | 2011.08.21 02:08